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手の中でスマホが震える
慌てて出たけど
マネからの「着きました」の連絡やった
腫れた目をサングラスで隠して
浮腫んだ顔をマスクで隠して
迎えの車に黙ったまんま乗り込む
体ひねって挨拶してきたマネの言葉は
俺の顔見たとたんしりつぼみになってもて
たぶん次に言いたかった言葉を飲み込んで前を向いた
「おはよぉ」の一言さえ言えんでごめん
気ぃ遣わせてごめん
黙ったまんまスモークの貼られた窓に凭れて
ぼんやりと流れる景色を見るとは無しに見ている
手のひらの中には
モバイルバッテリーに繋がれて
熱をもったスマホ
音のせぇへん車ん中
我慢しとったはずやのに
喉の奥から何とも言えへん声が漏れる
おもむろにマネがラジオをつけた
そこそこ大きな
まるでロックかなんかの曲聞くみたいな
そんな音で
淡々と聞こえ続ける交通情報
マネのさり気ない優しさに涙が溢れて
また
少し泣いた
気ぃ遣こてくれてありがとぉ
スタジオ着いて
車停めたマネが「大丈夫ですか?」って声かけてくれたけど
「なんも...」それだけ言うて車から降りる
リハ室入る前にトイレ寄って
冷たい水で何度も顔を洗う
シャツの袖で顔を拭う
鏡に映った情けない顔から目をそらして
サングラスをかける
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作者名:UTA | 作成日時:2019年5月24日 22時