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音楽リハを終えたあとも居残り練習する
家で思い切りドラム叩くわけにいかんし
やっぱ耳で聞かんと
リズムは他で代用出来ても
微妙な位置とかで音全然変わるし
ひとしきり無我夢中で叩いとったら
ギターの音がのかってきた
チラリと視線送ると
目をつぶって音に身を任せとるヤスがおった
俺は音を作る感じの演奏やけど
ヤスは音を泳ぐ感じの演奏やなと
どうだってええ事考えはじめてもたから
今日の練習は終了
ギターをケースにしまっとる
ヤス誘って一緒に飯行くことにして
一瞬返事に間があったんと
慌ててスマホいろとったんには気ぃつかんふり
さっさとヤスの車の助手席に乗り込む
一回ヤスん家まで車置きに帰ってタクシーで出かける事にした
車ん中から店予約して
そん後タクシーも予約
道が混んでへんかったから思いの外はよヤスん家に着いてもた
｢ギター置きに上がってくるから待っといて｣って言うヤスに
｢そんなん寂しいやんけ｣って言うてついて行く
マンションの入口でも
エレベーターの前でも
｢ほんまについてくるん？｣ってしつこい位に言うてくるし
｢部屋がきちゃないくらいきにせぇへんわ｣って答えて無理矢理ついて行く
絶対何か隠しとるって俺のセンサーがビビッっと反応しとんねん
案の定ヤスは鍵開ける前に
俺の事チラリと振り返ってため息ひとつついたら
インターホン押した
『はい？』って可愛い声がして
｢俺｣ってヤスが甘い声で言うたら
『待ってて』って返事の後直ぐにドアが開いた
｢章ちゃん｣｢おかえりなさい｣って出てきたのは
もこもこのパーカーとショーパン姿の可愛い綺麗なすっぴんの女の子やった
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年5月24日 22時
