誕生日プレゼント（緑） (ページ21)

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いっつもお願いしとるタクシーに電話したら

到着までに15分くらいかかる言われて

その間にドライヤー借りて髪を乾かす

ざっと乾かしたらAが入れてくれたコーヒーをカウンターとこで立ったまんま飲んだ

俺が準備にバタバタしてもたせいもあるけど

その間にAは一言も話さへん

なんかめっちゃ寂しいけど

俺もプロやし仕事の時間も決まったぁるししゃあない

｢ほな行くな｣

濡れた髪のまんまキッチンに立っとったAにマグカップ渡して

｢髪ちゃんと乾かしや？｣

言うてチュッっとキスしたら

仕事モードに切り替える

ドア開けて一階におりる

店のドア開けたとこで

｢行ってらっしゃい｣

って声がして振り返ったら

Aがアトリエのガラス戸んとこに立ってた

｢行ってきます｣

そう笑ろて手を振ったら

｢気をつけてね｣

｢...ただよしくん...｣

って小さく手を振り返してくれた

ヤバっ！

ここへ来ての名前呼び！

｢うん！｣

って大きく頷いてドアを閉める

ニヤける口元をマスクで隠して

タクシー会社に伝えたコンビニの駐車場に急いだ