誕生日プレゼント（緑） (ページ3)

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30分くらい走ったかな

ヤスは車一台分しかない狭い駐車スペースに無理やり大きな車停めて

｢着いたで｣って俺に声掛けて車をおりる

俺が降りたん確認したら車にロックかけて

｢せんちゃんおるぅ？｣

言うてその奥にある建物のドアを躊躇うこと無く開けて中に入ってった

えっ？

店や言うたんちゃうん？

全く普通の住宅やん？

ゆっくり閉まってったドアの前

窓のカーテン越しに漏れる明かりに照らされて俺が立ち尽くしとったら

もっかいドアが開いて

｢何んしとん？｣ってヤスが顔出した

｢何んしとんって...｣

｢ここ誰んちなん？｣

って俺が言うたら

｢せんちゃんち｣

って普通に返して来よった

やっぱ店ちごて家やんけ

｢やからせんちゃんって誰やねん？｣

って俺が聞いたら

｢顔さしても困るし早よ入りぃやぁ｣

って答えになってへんこというてくる

けどまぁ実際のとこ誰かに見られるんも困るし

納得せんまんまドアをくぐって後ろ手に閉める

入ったそこは思っとったんとちごて小さいけどちゃんとしたお店やった

ピアスやネックレス

リングにブレスレット

色んな素材で作られたアクセが並ぶ

カウンターの奥にはガラス戸があってその奥にはアトリエ？

そこからふらりと出てきた人にヤスが

｢せんちゃん｣

｢これおーくら｣

｢で｣

｢おーくら｣

｢こっちがこの店やってるせんちゃん｣

って何とも雑い紹介をしてくれた

そんなヤスを気にもせんとニッコリ笑て

｢いらっしゃいませ｣

｢ご自由にご覧ください｣

ってそれだけ言うてまた奥に引っ込んでガラス戸閉めてもた