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そのうち薬剤塗り終わって手袋外したら
鏡の前にアラーム置いて
｢暫くお待ちください｣
そう落ち着いた声で言うたら奥へと引っ込んでしもた
｢はあぁぁ｣
と大きなため息をつく
緊張しまくって握りしめとった手を意識してゆっくり開ける
じんわりと指先にまで血が巡って行くんが分かる
俺...なにやってんねんやろ...
勢いなわけやない
サ店で時間潰してる間に我に返る時間あったやん
閉店間際の店に乗り込んで
何時間もかかるカラーリングなんか頼んで
挙句に一言も声かけれへんなんてありえへんわ
目の前に置かれた雑誌がぼんやり滲んで慌てて目をこする
こんなとこでええ歳した男が泣いてるなんてシャレにもならん
｢目ぇ痛なるよ｣
目をこする俺の手にそっと添えられた手
柔らかな関西弁
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年5月8日 19時
