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幸せやと泣けて来るねんな

この幸せのためにAちゃんだけが異動させられるかもしれへん...

そんな事考えながら

寝息のような小さな深呼吸を繰り返す


ベッドが揺れてAちゃんが布団に入って来たんが分かった



「すばるくん?」

「もぉ寝たん?」



Aちゃんの優しい声が降ってくる

それでも顔を上げられへんとおったら

ふんわり優しく頭を撫でられた



「...いっぱい待たせてごめんね」

「...いっぱい優しくしてくれてありがとぉ」


「...すばるくん...」

「お嫁さんにしてくれてありがとぉ」



ゆっくりと頭を撫で続けてくれる


「すばるくん?...」

「一人で抱え込まんといてね」


「すばるくんと付き合うって決めた日からずっと」

「すばるくんとおれるんなら転職してもええと思てるよ」


「忘年会の日...抱きしめてくれてほんま嬉しかったし安心したん」


「やから...」

「泣かんといて?」



そう言うてAちゃんは俺の背中に抱きついてきた



「...泣いてへん...」




そう口にした俺の声は

自分でも情けないくらいに震えてた


出た学校も仕事内容も全然俺より上やのに

俺はヒナに言われて

「会社でいちゃつかんかったらええんやろ」ぐらいにしか考えてへんかったのに

Aちゃんは俺とおるために

自分の大事なもん手放してもええって覚悟決めてくれてたなんて

自分の甘さが嫌になる



「そっか」

「私の気のせいやったんやね」



そう言うてAちゃんは俺の背中から離れて横になった

急に冷えてくる背中がさみして

Aちゃんの方に向けて寝返りをうつ



「嘘・・・嘘・・・言うた・・・」



そう言うてAちゃんの胸に顔を埋める



「ほんま泣き虫さんやなぁ」



Aちゃんはそう言うて

俺の背中を優しくとんとんしながら

俺の耳元でプリエールの歌を小さな小さな声で歌ってくれた

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作者名:UTA | 作成日時:2019年4月13日 9時

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