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ドアが開ききる前に体を滑り込ませたのんびり屋さんに見えて意外とせっかちなたつに続いてエレベーターに乗り込むと
口をとんがらかせてるくせにちゃんと“開”ボタンを押してくれていてその姿に思わず頬が緩む
たつの後ろに重なるように立って目の前にあるたつの手をそっと握る
この位置やったらきっと監視カメラには俺の背中しか映らへんはず
実際のとこはは分からへんけどまあ何か事件でも起こらへん限り映像の確認したりもせえへんやろ
そう思ったら幸せに浸る間もなく直ぐに目的の階に着いた
「そんなんするんずるい」
ってたつの声がして一度強く手を握り返されてからするりと手が抜かれた
俺の方を振り返ることも無くドアを抜けるたつの耳は真っ赤でまた頬が緩む
エレベーターから降りたたつは俺を待つこと無くスタスタと部屋に向かって歩き出した
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作者名：UTA
| 作成日時：2021年5月16日 15時
