たつの誕生日 (ページ16)

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そう言うた俺の腕から一瞬の躊躇いのあと静かにたつの手が離れた

地球の重力に逆らえる訳もなくゆっくりだらりと俺の腕が落ちていく

「･･･ごめん･･･」

「･･･もぉ･･･限界やねん」

振り返ってそう言うた俺の顔はたつが一番好きやって言うてくれたようにちゃんと笑えてるかな

頬を伝う涙とうまく動かない表情筋をどこか冷めた俺が理解しつつも

それでもたつが愛してくれたりゅうでありたいと願う俺がいて

俺のたつへの気持ちに唯一気がついて

『なんぼでもカモフラージュに俺をつこたらええ』

『ほんかわり仕事に支障きたすんやない』

そう言うてことある事に

『メンバー内恋愛禁止や』

って笑いにもっていってくれたすばるくんの事を思いだしてた

すばるくん･･･ごめんなぁ

それに

俺らの事がバレた時

喜んでくれて『護る』って言うてくれた

裕ちん

信ちゃん

章ちゃん

こんな事になって･･･ごめんなぁ

明日からはすぐには無理でも少しずつちゃんと仲間に戻るから

今日は

今日だけは･･･許して･･･