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そんな俺に気がついてんのかついてへんのか分からんけど
冷蔵庫から取り出した缶ビールをまるでスローモーションのように口へ運んだ
口許からほんの少しだけ溢れ零れたビールを舌と手の甲で拭う仕草に
あの時のたつを思い出して胸の奥底に無理矢理押し込めたはずの思いが体の芯を熱くする
一歩でも動いたら爆発しそうな体をどうしてええか分からんくて
ただその場に立ち尽くすしか無かった
そんな俺にたつはゆっくりと近づいてきて自分の飲みさしの缶ビールを差し出し
「そんな格好して俺ん事誘ってんの？」
ってクスクス笑った
けど
そんな事言うてるくせに俺との距離は離れたまんまで俺に触れる気はあらへん
それがめっちゃ悲しくてビールにでなくたつの頬に向けてそっと手を伸ばす
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作者名：UTA
| 作成日時：2021年5月16日 15時
