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暫くしたらキッチンから俺リクエストのビーフシチューのええ匂いがしてきた
アンケートを書き終えて空になったマグカップ手に俺もキッチンへと向かう
「めっちゃええ匂いやわぁ」
「手伝える事ある？」
俺がそう言うたんと同時にAちゃんのスマホが鳴った
「･･･弟やん」
「りゅうちゃん悪いけど焦げへんようにお鍋かき混ぜといてくれる？」
そう言うて使い込まれたヘラを渡してきた
キッチンから離れてソファーに腰掛けて小さな声で話すAちゃん
俺は存在消して静かに鍋をかき混ぜる
すっかり温まったビーフシチューの乗ったIHを切ると
Aちゃんの横に座って膝に置かれていたAちゃんの小さな手をそっと握った
震える小さな声で話していた電話を切るとAちゃんは耳元からゆっくりスマホを離した
そのまんま真っ黒になった画面をじっと見つめてるAちゃんの肩を空いてた方の手で抱き寄せると
Aちゃんはされるがままにコテンと俺の肩に頭を凭れてかけさせてきた
二人して黙ったまんまそうしとったけど
「･･･お母さんの事･･･」
「･･･やっぱ弟と意見合わへんねん」
暫くたってAちゃんがそう呟いた
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作者名：UTA
| 作成日時：2021年2月27日 5時
