誕生日の話 (∞紫) (ページ27)

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下げとった頭をガバッと上げたら

上目遣いで俺を見とるA

「何で？」

「謝らんなんの俺やん」

そう言うたら

「･･･LINEでも送ったけど連絡もらえて嬉しかった」

「･･･あんな･･･あんな迷惑かけたまんま何も話せずに終わってしまってたから」

そう言うて泣いとるような顔でAが笑うから

「ちゃうやん」

「昨日迷惑かけたんもやけど

あの日かてお前の体調にも気が付かんとあんなん言うて」

「なんぼ自分に余裕があらへんかった言うてもアレは完璧俺が悪い」

そう言うてもっかい頭を下げる

「違うよ」

「先にルール守らなかった私が悪いの」

「私の忙しさなんて村上さんと比べたら全然大した事ないのに

自分の力の無さのせいでいっぱいいっぱいになって

一緒にいるのに安らげる家を作れなくてごめんなさい」

そう言うてAはポロリと涙を流した

その涙があんまりにも綺麗で暫く見とれとったら

「そんな見ていないで何とか言ってよ」

ってふくれるから思わず吹き出してもたらそんな俺の顔を睨んで

「何で笑うの！」

グラスに残ってたビールを飲み干すAが可愛いて声あげてわろてもた

「もう！何で!!」

って言うAのグラスにさっきはためらって注がれへんかったビールを注ぐと

Aも自分の缶を持ち上げて俺のグラスに注いでくれた

「なぁ」

「ちょっとだけ言うたけどゆっくり話さへんか？」