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〜終〜 ページ16
そして
その表情を変えることも無く
『それじゃあ』
そう言うたら目を伏せて
『仕事戻るね』
って切ろうとするから慌てて
「A！」
「この騒動が終わったら」
「ちゃんと会うてもっかい言うてな」
「俺らの家で！」
そう言う
Aはハッとしたように顔を上げて固まっとるから
「仕事頑張ってや？」
「俺らは負けへんのやろ？」
「･･･ほんで･･･」
「そん時はちゃんと･･･」
「俺んとこに帰ってきてな」
そう言うたら
暫くそのまんま固まっとって
そんあと
ゆっくり目を逸らされた
あぁ
もぉあかんのか･･･
もぉ
無理なんか･･･
そう思た瞬間
Aは俺の方を真っ直ぐに見て
とびっきりの笑顔で
「そう！」
「私達は負けないよ！」
「･･･帰ったら･･･」
「ただくんお手製のご飯食べさせてね」
そう言って
俺の返事を聞くこと無く電話を切った
俺はあまりの嬉しさに
スマホを握りしめたまんま
ガッツポーズしてもた
今年の誕生日は
今まで生きてた中で
間違い無く辛い誕生日の上位にカウントされるけど
これから生きていく上で
間違い無く価値のある誕生日やと思う
続く
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年5月15日 15時
