彼と私の日常 (赤) 2 (ページ23)

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またやってもた

｢こんな時間まで奥さん大丈夫なんすか？｣

俺より若いバンドメンバーに言われて慌ててスマホを確認する

思った通りどぉだってええ一方通行の通知しか入ってない

アイドルしてた俺の彼女として染み込んでしもてんのか

俺がアイドルやのうなった今でもあいつから連絡入ることはまず無い

｢今さらですけど今日誕生日ですよね｣

あの頃には考えられへんかった女の子のバンドメンバーが心配そうに言う

｢かまへんかまへん｣

｢あいつちごて俺の誕生日なんやし｣

テーブルの上でそれぞれが開けてるパソコンの隙間に

色んな方向からつっつかれた小ぶりのホールケーキ

それを見ながら返事する

音楽の話しだしたら止まらへん

まだ正式には発表してへんけどライブの打ち合わせも始まったし

とりあえず楽してしゃあないねん

ここ一ヶ月･･･

いや日本に帰って来てからの数ヶ月

あいつと過ごした時間はホンマにわずか

寝とる俺を邪魔せんようにって昼間に働いとるあいつ

最初は仕事帰ってきたあいつと晩飯食うてから出かけて

あいつが仕事行く前には帰って一緒に朝飯食うてから寝る

そん予定やってん

いや何日かはそうしたで

けど

スタジオを年単位て賃貸契約交わして

いつでも何時間でも自由に出入りできるようなったらもぉあかんかった

やりたいことがいっぱいで

終わるタイミングが分からへんよぉになってもてん