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「うるさいってなんやねん」
絞り出すようにそう叫んだ俺を
キョトンとした顔で見て
「すばるくん?」
「なんやっとん?」
ってAちゃんが聞いてきた
「・・・なん・・・てって・・・」
「お前が寝ぼけたせいで・・・」
って呟いたら
へっ?って顔して俺の事見つめてきた
寝起きの寝ぐせ全開で
ちょっと浮腫んだ目で
正直
いっつもよりかなりブサイクやのに
そんなんが俺だけの特別なんが可愛いて
もぉ止まらへん
Aちゃんの頭を引き寄せて最初から深いキスをした
お互い息を整えて
Aちゃんは申し訳なさそうに
俺の指の噛み跡をさすっている
「ごめんね」
「痛かったやんな」
って泣きそうになって謝ってくる
めっちゃ痛かったし
なんなら血もちょっと出たし
内出血もしとるし
けど
しゅんとしてもおてるAちゃんが可愛くて
「夢でなん食うてたん?」
って思わず聞いてもた
Aちゃんも俺の言葉が予想外やったんか
「えっ?」って短く呟いて俺の顔を見てきた
「いや」
「俺の指を何か食いもんとまちごうたんかなぁと思て」
って聞き返す
Aちゃんは真面目な顔で考えこんどったけど
その答えが出る前に俺の腹が鳴った
Aちゃんはくすりと笑てから
「ヤバっ」
「私がすばるくんに食べられてしまう」
そう言うていたずらっ子みたいににひゃりと笑うから
「もぉ遅いわ!」
俺はそう言うてAちゃんのほっぺをハムっと噛んだった
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作者名:UTA | 作成日時:2020年3月4日 19時