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その笑顔にホッとしてキッチンに向かう
テーブルの上には何品かのおかずが並べられとって
Aちゃんは俺が買うて来たパスタを電子レンジにかけてくれようとしたとこやった
「めっちゃ旨そうやん」
照れ隠しにそう言うてキッチン入ったら
「食材なんもあらへんかったから大したもん出来てへんよ」
「冷凍庫の大掃除しただけやし」
「でもちゃんとすばるくんの言うこと聞いて家におったんやでな」
ちょっと威張ったように言うてきたAちゃんの目は
その言葉とは裏腹に
すげぇ不安げに揺れていた
「ちゃんと言うこときけたんや」
「Aちゃんは偉いなぁ」
そう言うて
俺は手を伸ばしてAちゃんの頭を撫でる
Aちゃんは首を竦めて恥ずかしそうに笑ろたら
「もぉ」
「ばかにしとるやろぉ」
そう言いながら
上目遣いで俺の事を見上げてくるから
「もぉ欲しがりさんやなぁ」
そう言うてチュッとキスをした
離れたら
「そんな事あらへんもん」
そう言うてぷいっと横むくけど
赤いほっぺして左手は俺のスエットを握りしめとるし
何なんそれ
かわいいでしかあらへんやん
横向いてもおとる顔を覗き込むようにして
もっかいさっきより長く唇を重ねる
ゆっくりと離れて
「ほんま欲しがりさん」
言うて笑ろたら
「あほっ」言うてグーパンしてきた
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年3月4日 19時
