十年日記 (ページ7)

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彼女のその今にも泣き出しそうな

けど悲しくなるくらい

儚げな笑顔に

「それでも！」

僕がたまらず大きな声を出したら

彼女は真ん丸な目で真っ直ぐ俺を見た

「それでも･･･」

言葉に急に勢いが無くなる

僕にはこういう強く言いきれへんとこがあんねん

けどこれだけは伝えとかんとアカン気がして

「それでも･･･たつは･･･」

「あなたの強さに救われるって･･･」

「仕事とかでも投げ出したなる時もあるけど」

「あいつの前だけではカッコええ俺でありたいって･･･」

そこまで言うたら

「ありがとう･･･」

「丸山さんは優しいね･･･」

って彼女はそう言って立ち上がって
バッグから見覚えのあるスマホを取り出した

そのスマホのカバーは色違いのお揃いで

僕達がお互いにプレゼントし合ったものだ

「いつだったか忠義があなたに送るはずだったLINEを私に誤送してきて」

「忠義は直ぐに送信取り消ししたし私も触れなかったから」

「忠義はあなたの事はバレてないと思ってたみたいだったけど･･･」

そこまで言うたら唇噛み締めて泣き出してしまった

「ごめんなさい･･･」

謝らなって思った僕より先に彼女が口にした謝罪