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僕が叫ぶようにそう言ったら
「私とペアだから嫌かもしれないけど」
「忠義が大切に仕事でもずっと使っていたから」
「･･･形見分け･･･」
「彼はまだまだ使うつもりでいたと思うから」
「彼のためにも代わりに使い続けてあげて」
そう言ってポールペンを僕の手に握らせた
そのボールペンに刻印されたたつの名前を
さっきの彼女と同じようにように
そっと撫でる
もう二度と触れる事の出来ない
愛しい人を撫でる時のように
優しく
優しく
そんな僕の様子を見た彼女は
ペンケースからお揃いのボールペンを取り出して
日記の最後のページを開いた
宙を見て何かを考えていたけど
暫くしたらスラスラと文字を書き始めた
ボールペンを置くと日記帳を僕の方に差し出す
最後のページの最後の日
そこにはとても綺麗な字で
『丸山さんと忠義の見たかった景色を見に旅行した』
『美味しいものを食べて二人して笑った』
って書いてあった
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年2月14日 5時
