誕生日プレゼント 2（紫） (ページ6)

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～終～ページ6

そこにはクレヨンで4つの丸が書かれていた

「何やこれ？」

思わず口から出た言葉に

華が小さな手で指さし始めた

茶色の丸を指さして

「ちぃちゃ」

赤色の丸を指さして

「はぁちゃ」

緑色の丸を指さして

「かか」

そう言うて

紫色の丸を指さして

「ごしゃ」

って言うたあと

俺の顔を見上げてにっこり笑てくれた

「ちぃちゃとぉ」「はぁちゃとぉ」「かかとぉ」「ごしゃとぉ」

「じぃじと」「ばぁば」

「ぷいんいくぅ」

暗号のような呪文のような華の言葉

「この間村上のお父さんから電話があって

また高槻に帰っておいでって」

「ばぁばとプリン買って待ってるよ」

「そう言ってくださったの」

華の話をAが説明してくれた

おとんが華をちゃんと孫やって認めてくれてんのが嬉して

俺を通さんでもAとやり取りしてくれてるんが嬉して

泣きそうになる

振り返って俺の胸にすりすりして眠そうになっとる華を

寝かしつけるように気持ち横抱きにして

「なぁ華？」

「信五さんの事ととって呼んでみ？」

そお言うたら

「とと？」

「ごしゃはごしゃよ？」

そう言われた

そんな俺と華のやりとりを見とったAは目に涙を浮かべながら

「その誕生日プレゼントは来年以降に持ち越しね」

って笑った