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ドアを出来るだけ音ささんようにそぉっと開けて
「ただいまぁ」
靴箱ん上の小さな皿の上にキーケース置いて
小さめの声で言う
奥からチリチリと首輪に付けた鈴を鳴らしながら
すっかりこの家の主みたいになったちぃがやって来た
靴を履いたまんま屈んでその柔らかな毛並みを撫でる
「ちゃんとええ子にしとったんか?」
って聞いたら
得意そうな顔して俺の手に擦り寄ってきた
「そかそか」
「ちゃんとええ子にしとったんやな」
って言うたら頭の上から
「キッチンの豆苗勝手に食べて怒られたんだよね」
って声がした
屈んだまんま顔だけ上向けたら
「おかえりなさい」
「信五さん」
って優しく微笑んだAが俺の前に屈んで
ちぃの眉間を撫でた
「ちぃ」
「勝手に物食うたらアカンやろ」
そう言うて靴を脱ぐ
俺に一歩遅れる形で立ち上がったAの手には床に置いてた俺の鞄があって
「お風呂沸いてるよ」の声に「ほな入ってくるわ」と返して風呂場に向かった
ゆっくりと湯船に使ってガチガチやった体を緩める
風呂から上がったら用意してもろた部屋着着て
髪も乾かしてからリビングに向かう
八畳程のそう大きくもないリビングダイニング
こじんまりしたテーブルには俺の好物ばかりが並んでいた
「信五さんお酒飲む?」
キッチンのカウンター越しにAが聞いてくるから
「焼酎ロックで」
って答えつつも
テーブルにはつかずにリビングの端にある襖を開ける
豆球の灯りの下
ダブルベッドのど真ん中で我が物顔で眠る小さな体
くぅくぅと可愛い寝息たてとる姿に思わず口元が緩む
頭をそっと撫でてその毛の柔らかさを堪能してからリビングに戻る
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作者名:UTA | 作成日時:2020年1月27日 18時