誕生日プレゼント2（橙）2 (ページ5)

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もしかしたら電話がかかって来るかも、とネイビーのカバーのスマホをポケットに入れて、自分のスマホは机の引き出しに入れて仕事をする。忙しい仕事の中でも気になってしまって何度となく両方のスマホを確認するけど、どちらにも着信は無かった。

「こんな時代だからこそ結婚相手を探しに就活頑張りました。」「婚活サイトより安心じゃ無いですか。」って女子ばかりの更衣室では平気で話す入社二年目の子に、
「今日めちゃくちゃソワソワしてません？」「なんか怪しいですよ？」って言われながら仕事をこなす。

結局いつも通りに残業までして会社を出る。そんな時間になってもスマホはまだ沈黙したまんまで、ずっと緊張していたのに何だか拍子抜けしてしまった。
鞄に二つのスマホを突っ込んで、一つ大きなため息をついてガチガチだった体を弛めると、もうご飯を作る気にもなれないしスーパーで割引になった何かを買って帰ろうか、そんなことを考えながら駅へと向かう。

最寄り駅を出て、大きすぎず小さ過ぎずのスーパーに寄って半額のシールが貼ってあるお刺身と白和えをカゴに入れる。
そのあと明日の朝ごはんを買うためにパンコーナーへと足を進める。

その途中一瞬だけ、鞄の中で着信音が鳴った。
慌てて通路の隅にレジカゴを置いて鞄を漁る。

とりあえず自分のスマホを取り出すけど何の表示も無かった。
続けてネイビーのカバーのスマホを取り出そうと思った瞬間、自分のスマホが鳴った。

彼の朝 1→←4