誕生日プレゼント2（橙）2 (ページ2)

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鏡に映った私は本当の自分とは違って見える。もともとはパーツの大きなはっきりした顔だけど入社してすぐに社内に彼女のいる人から声をかけられひどい目にあったから。
私が誰かと付き合うなんてありえないのに。
それからは本当は嫌だけど地味に見える厚化粧するようになった。
綺麗にして女である事をアピールする同僚から目を付けられないように、今日も完璧に仕上げた。

スマホで時間を確認したら思ったより時間が経ってて慌ててワンピースに着替える。
チェックアウトの時間にはまだまだ余裕があるけど、急いで家に帰らないと会社に間に合わない。かと言ってこんな綺麗めのワンピで出社したらのせっかくのメイクが水の泡になってしまう。

ワンピースの隣に掛けていたコートを外す。
一瞬･･･コートを手にした時に一瞬、違和感があったけど気のせいかとそのままふわりと羽織る。

その瞬間、違和感が気のせいでないことを知った。

右のポケットに恐る恐る手を入れる。その手の指先に触れた固い物･･･それを掴むとゆっくりと取り出した。

3→←彼女の朝 1