誕生日プレゼント2 (橙) (ページ9)

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ビクリッと無様にも身体が跳ね上がる。高所恐怖症やのに自分を奮い立たせるために窓際に向かってる俺の心臓はそれだけでヤバいくらいにバクバクしてもうとんのに、ほんま止めてぇやぁ。

バラエティでもあるまいしかっこ悪いとこ見せられへんから気持ち落ち着かせるために小さく小さく息を吐く。

時間にしたらほんの数秒。何とか気持ち落ち着けて、こういう時は知らん顔したげるんが礼儀かと思てそのまんま足を進めかけたけど、足元に誰かが屈む気配がして顔だけ振り返る。

と、そこには唇噛んで泣きそうな女性とタオルを持ったバーテンダーがいた。

俺のパンツに向かって伸ばしてきたバーテンダーの手を視線で追うと、今日下ろしたばかりのグレーのパンツに結構な染みが飛び散っていた。

けどここで騒ぎが大きくなんのも嫌やし、可哀想なくらいに唇噛み締めてる女性見てたら自然とその手を制して、足元に落ちてたカードキーとこの女性の雰囲気にまるでそぐわない幼い感じの年期を感じる財布を拾い上げる。

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