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いつもの私と同じようにこの世界に自分が存在しないかのように気配を消して佇む彼の背中に声をかける
｢あの･･･｣｢パンツのクリーニング･･･｣そこまで口にしたら私の声に反応した彼がゆっくりと振り返る
と同時にまたあの香りが私を包む
その香りが私をおかしくしたんだ
｢クリーニング代を｣って言うはずだったのに私の口は勝手に動き出す
｢私･･･部屋とってるんです｣
｢パンツのクリーニングが済むまで部屋で過ごされませんか？｣
｢えっ？｣
って彼が口の中で呟いて私の顔を怪訝な顔で見つめる
｢えっ？｣
って私は頭の中で自分の言葉を反芻しながら彼の怪訝な顔を見つめる
そして自分の発した言葉を理解した瞬間一気に全身の血が顔に集まった気がして我にかえる
｢ごめんなさい｣
｢直ぐにクリーニング代を持ってきますから待っていて頂けますか？｣
そう叫ぶように伝えると現実へと体の向きを変えて駆け出す
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年11月26日 14時
