誕生日プレゼント2 (橙) (ページ27)

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彼女の夜 13 ページ27

部屋へと足を踏み入れる。

ベッドはメイキングされたまましわ一つついていないし、さっき覗いたバスルームも使った形跡は無かった。
彼は本当にきちんとクリーニングに出してくれたんだろうか？

そんな事を考えながらバスルームに向かう。
シャワーを済ませてバスタオルで体を拭きながらバスローブを見ると一枚しか無かった。
その一枚しかないバスローブを羽織って髪を乾かし終えたら部屋へと戻る。

さっき脱いだワンピースを吊るすためにクローゼットを開けたら隅に知らない白い袋が置いてあるのが目に入った。

ワンピースを吊ってからその袋を手にする。
袋の口を開いて中を見ようとしたら、微かにだけどまたあの香りがした。
その香りに惹かれるように中に入っていたバスローブを取り出した。

自分でもおかしい事は分かっている。
気持ち悪いって思われても仕方ないって分かっている。

けど、私は･･･

そのバスローブを抱きしめてベッドに向かう。
人ひとりのスペースを空けてベッドの右端に寝転んで、そして今にも消えそうなその匂いに包まれて目を閉じた。