誕生日プレゼント2 (橙) (ページ23)

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彼の夜 11 ページ23

さすがにシャワーを借りるわけにもいかず、ダブルのベッドを横目に夜景を見下ろせる位置に置かれたソファーに腰をおろす。

結構な高層階、部屋の方角的にもなかなかの料金設定されてるであろう部屋。
バーとおんなじでこの部屋の十年来の常連なんやろか。
失礼やとは思うけど、彼女の身なりや持ちもんからは全く結びつかへんねん。

それにダブルの部屋って事はツレが来るってことやんな？
それも部屋だけやのうてベッドも一つで過ごす相手やって事やんな？
やのに彼女はそんなふうな躊躇いを見せんと俺を部屋に招き入れたし･･･。

ぐるぐるぐるぐる。ひたすら彼女のことばっかを考えとったら部屋の電話が鳴った。

ビクッと自分の体が跳ね上がる。フロントからかと思ったけど、もしちごたら大変やしどないしよかと躊躇しとるうちにコール音が止まってしまった。

必要以上に力が入っていた体を緩めるように意識して深呼吸を繰り返す。

時代や世間に反して最近吸い始めた煙草を吸うて落ち着きたいとこやけど、やっぱ彼女の許可なく吸うんはマズいやんなと諦める。