誕生日プレゼント2 (橙) (ページ15)

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彼女の横をすり抜けて部屋へと入る。入ったはええけどどうしたらええんやろ？

この歳やからそれなりに恋愛もしてきたし、この仕事やからまぁそれなりにその日限りの大人な夜も過ごしてきたけど、今めっちゃ後悔してる。

やって、さっきあんなに柔らかい笑顔見せてくれた彼女が今にもまた泣きそうな顔してんねんもん。

やらかした以外あらへんやん。

そんなこと考えとったら部屋に俺を追いかけて入ってきた彼女は鞄を手にすると、
「私は出ていますのでこのままこの部屋をお使いください。」
「よろしかったらシャワーも使っていただいて構いませんので」
そう言うて出てこうとすんねん。

「どこで時間潰すん？」恐る恐るやけどそう声をかける。

振り返った彼女は震える声で「バーに行ってお詫びしたあとロビーにでも行ってますからお気になさらないでください。」そう一気に言うてペコリと頭を下げたら、すぐまた背を向けた。

俺は慌てて彼女の手を掴むと「あっ！あの！」って叫ぶように言う。振り返った彼女の目には今にも零れそうな程涙が溜まっていた。
俺は「あっ！あの･･･」「終わったら連絡入れたいし番号教えてもらわれへん？」そう言うのがやっとやった。