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そしたら彼女がゆっくりとドアを開けてくれた。そっと視線を上げると彼女は初めてふんわりと笑ってくれて「人の目がありますものね」「どうぞ」って部屋に招き入れてくれた。
俺は彼女の言葉が終わるか終わらへんくらいに部屋ん中へ体を滑り込ませたんはええけど、どうしたらええか分からへんと固まってもた。
そんな俺に彼女は「クリーニング代取ってきますね」って奥に行きかけるから、咄嗟にその手を取って「言うてたみたいにフロントにクリーニング出さしてもらいたいねんけど」って言うてみる。
その言葉に振り返った彼女はびっくりしたように真ん丸に目を見開いとって、その顔は幼く愛らしい感じですごく親しみを覚えた。
「イヤ！パンツの染みもやけど匂いがキツてタクシー乗るんも悪いかなって」
慌てて自分を取り繕ってそんな事を言うた俺に、彼女は「･･･そうですよね･･･」って部屋の奥に続く廊下を端に避けて空けてくれた。
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作者名：UTA
| 作成日時：2019年11月26日 14時
