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その後しばらくしてから弱々しい震える声で「こないだは連絡もせんとドタキャンしてごめんなぁ」「待ってくれてたんやんなぁ」って
誰より自分が大変なくせに私の事を思って電話してきたヤスくんは悲しいくらい優しい人なんだと思った

報道されているよりずっとずっとヤスくんのケガの状態が深刻なことは
「もぉ黒ぉする必要あらへんしキャンセルさせて」って
そして聞いてもいないのに「それから当分行かれへんわぁ」って
また私が言葉を発する前にバイバイも言わずに電話を切った事で分かった


ずいぶん長い間連絡も無かったヤスくんから「久しぶり・・・」って電話がかかってきて
「髪の毛して欲しいねんけど」「あかん?」って私を伺うように言ってきた

久しぶりに聞いたヤスくんの声にホッとしてわざと「ご予約ですね」「ご希望の日付とお時間はありますか?」って業務連絡的に言った私に
ボソボソと希望の日時を伝えてきて
「では確認のうえ改めてこちらからご連絡させていただきます」「メールでのお返事でよろしいでしょうか?」って言ったら
「・・・はい」ってまた消えそうな声が返ってきた

なんだか可哀想な気もしたけど引き際が分からなくて「それでは失礼いた・・・」って言いかけた私の言葉を遮って
「もぉ」「ほんまごめんやってぇ」
って叫ぶように言ってきた

そこでヤスくんの話を聞いて私が想像していたよりも何倍も怪我が深刻だった事を知った

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作者名:UTA | 作成日時:2019年9月11日 14時

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