耳元で歌わせて (赤) 6 (ページ28)

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けどここからどぉ行ったら駅に着くんか分からへんし

しゃあなし道路の隅っこで待っとったら

Aちゃんが走って来てくれて

｢車で何してたん？｣

｢全然気がつかへんかった｣

上がってもた息で辛そうやのに聞いてくれた

LINEの数も

電話のでかたかって

それに

目ぇも真っ赤やし

絶対心配かけたと思うのに

俺の事責めたりせぇへん

｢ごめん｣

｢Aちゃん帰って来るん待っとったんやけど寝てもた｣

そこで初めてAちゃんが

ん？って顔して

｢あぁっ!?合鍵！｣

｢ごめんね！｣

｢ほんまごめんなさい｣

｢寒かったやんな？｣

って慌てだした

｢ええねん｣

｢俺も家着くまで分かってへんかったし｣

｢それよか心配かけたやんな？｣

｢俺こそごめん｣

俺がそういうたら下唇ハムってして首を振る

｢なんでもなかったんならええの｣

そう言うて

こっちが苦しくなるようなそんな顔で笑てくれた

Aちゃんと手を繋いで

Aちゃんに言われるがまま

もう一度駅まで戻る

そこから家までの道を

曲がる角のたんび俺なりの目印をメモさせられて

そんな事しながら帰っても

やっぱ10分もかからへん

家の鍵開けてAちゃんがドアを開けて待っとってくれたから

｢ただいまぁ｣

言うて俺が先に家に入る

｢おかえりなさい｣

そう言うて笑ってくれた後

｢ただいま｣

ってAちゃんも家に入ってきたから

｢おかえりぃ｣

そう言うて抱きしめた