耳元で歌わせて (赤) 6 (ページ1)

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カートを隅っこの邪魔にならへんとこに寄せてスマホを確認する

｢ヒナからや｣

なんなん？

そう思いつつ電話に出る

｢もしもし？｣

『あっすばる？』

『お前今日の夜時間とられへんか？』

『できたら店やのぉてお前ん家がええねんけど』

｢えっ？なんなん？｣

｢急にどないしたん？｣

『いや明日仕事行く前にちゃんと相談しといた方がええと思うねん』

｢相談って何を？｣

｢今、Aちゃんと一緒やねん｣

｢ほんで...｣

『ほうか、ほんだら話早いわ』

俺の言葉の途中に被せるようにヒナが返してくる

『Aちゃんも一緒に話できた方がええねん』

『すばる、お前どっか出てんの？』

『何時やったら時間取れる？』

｢何時って...俺なAちゃんとAちゃんちで住むことにしたねん｣

『はぁ?!お前もしかして前から付き合ってたん？』

やっぱそうなるやんなぁ

さっきから不安そうに俺の事見てるAちゃんに

大丈夫やで、って笑て

｢ちょっとAちゃんと相談して返事するわ｣

｢一回切るで｣

そう言うて電話を切る

｢ヒナのバカ声やからほぼほぼ聞こえてたやろけど｣

｢何か明日仕事行くまでに話あんねんて｣

｢外やない方がええらしいねんけど｣

俺がそう言うたら

不安そうに揺れる瞳して

｢外で出来ひん話ってなんやろ...｣

って言うたあと

｢ほしたらうちに来てもらう？｣

｢明日仕事やし遅ならへん方がええやんな｣

｢晩御飯も良かったら一緒に食べてもらうとか？｣

そう続けてくれた

｢ええの？｣

｢ほなそう返事するで？｣

って言いながらスマホタップする

直ぐに電話に出たヒナにAちゃんの言うた事伝えて

後から住所送るわって通話を終える