9.手のひら ページ10
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大量のユンケルとコーヒーの入った袋は馬鹿みたいに重い。車が欲しい……。
重いビニールと格闘していると、悠一がヒョイっとビニール袋を持ってくれた。
「重いでしょ？手、赤くなってる。」
『ん、ありがと。』
自分の手を見てみると確かに真っ赤になってた。
まあ、なんもと荒れた手だこと。
ハンドクリーム切れてからしばらく塗ってないし、もとより竹刀とか木刀振りまくってたから剣ダコとかマメがつぶれた痕がたくさんあるから女子の手とは思えない。
冬になるとあかぎれするからなー、ハンドクリーム買ってこっかな。あっ、湿布も無くなったわ。徹夜のお供。
『悠一、荷物重いのは重々承知だけどドラッグストア寄ってくんない？』
「りょーかい。なんか忘れもんあった？」
『ハンドクリームと湿布。切らしてたの。』
「Aの口からハンドクリームって単語が出てきたことが意外だった。」
しかもこいつ若干笑ってやがる。
『失礼な奴だなぁ。この荒れ放題の手見ろよ、これ放置したらマズイだろ。』
「うわっ、痛々しい。ひび割れと…剣ダコ？」
『うん。幼い頃から竹刀やら木刀やら振り回してたから。』
そう言って手のひらを悠一の方に差し出すと奴は何を思ったのか私の手を握り、感触を確かめるように揉み出した。にぎにぎっていう効果音がつきそうなくらい。
『……お前何やってんの？』
「ちっさい手だなーって。こんなちっさい手なのに孤月持たせた途端に最強攻撃手だもんな。」
『何か御不満でも？』
「むしろその逆。たまに申し訳なくなってくる。この手に暗躍の片棒持たせてるなんてさ。もっと楽でいられる道もあるのに。」
ああ、またロクでもないこと考えてる。きっと何か視たのだろう。そして、今後のボーダーに大きく影響する分岐を選択した。
悩んでるのだ。これで良かったのかと。
そして私も「大丈夫だ」と、無責任なことは言わない。こんなこと軽々しく言えない。
けれど、遠回しに元気付けてやらなくもないか。
『愚問だな。自分でこの分岐を選択したんだ。お前が決めたんじゃない。私が決めた。それとも、人の決定に文句がおありで？』
少し彼の碧眼が見開かれ、困ったような笑みを浮かべた。何かを言おうとしたのか口が開きかけたが閉じてしまって。
結局言われた言葉は
「そうだったな、お前はそういうやつだったな。」
少しはマシになったようで何よりだ。これまた手のかかる同僚だこと。
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にゃめろう(プロフ) - イシュタルさん» 遠距離戦をする場合には自分に被弾する恐れのある攻撃だけ避けたり孤月で切り裂いて、持ち前の鬼機動を活かしながら距離を詰めてきます。接近戦NGな狙撃手や射手にとっては天敵に早変わりです。 (2020年4月5日 1時) (
レス) id: dff949dcc7 (このIDを非表示/違反報告)
にゃめろう(プロフ) - 吹雪さん» 沖田さんは剣を握ってる時は無敵なので、その強さを上手く表せてたら嬉しいです (2020年4月3日 16時) (レス) id: dff949dcc7 (このIDを非表示/違反報告)
イシュタル - 孤月一筋の剣術少女っていう設定がよかったです。遠距離戦でのポンコツっぷりを認めながら持ち前の剣術で無双してほしい！ (2020年4月3日 14時) (レス) id: 35038a48e3 (このIDを非表示/違反報告)
ざらめ@2016 - まだ序盤のほうですがとても面白かったです！完結まで楽しみにしてます。 (2020年4月3日 13時) (レス) id: cbd4a9e669 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪 - 戦闘シーンの書き方がとても上手だったと思います！夢主ちゃんの社畜属性と垣間見える面倒見の良さがカッコいい、、、 (2020年4月3日 3時) (レス) id: ccbcd2cbb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃめろう x他1人 | 作成日時：2020年4月1日 15時
