偶然出会ってデビューしたんだけど (ページ15)

今日:88 hit、昨日:152 hit、合計:1,129,214 hit

・ページ15

『ぶつかってごめんね、さえぐさおにぃさん？』

ショタっぽく、あどけなさを残した喋りで、すれ違いざまに耳元で呟き、私はその場を離れた。

後ろで、え！？っと驚いている声が聞こえ、笑みがこぼれた。あー、楽しぃ。

本社に入ると、マネージャーが待合所で待っていた。

『唯ちゃんごめんよ〜。30分も遅れちゃった。
これ、お詫びのプリン。好きだったよね？』

「もー！龍ちゃん遅いって怒ろうと思ってたのに！ありがとう、大好き！」

私のマネージャー足立唯ちゃんは、甘いものが大好きで、甘いものを渡せば、どんなに怒っていても、機嫌が良くなるのだ。
チョロすぎんか、私のマネージャー。

「あ、昨日のっていうか、もう今日だったけど、配信見たよ〜。ありゃ、遅刻する。」

『もうね、あの2人の時間狂いすぎ。
体力ないからキッツイのよ。ジムにでも行こうかなぁ。』

「いいんじゃない？ゲームする時間減るけど」

『それはヤダ』

「あっははは！」

2人で笑いあっていると、後ろから視線を感じた。
振り返ると、そこにはカラフルなメッシュの3人組。メシャがいた。

「やっぱりそーだよ！まゆゆ、ふわっち！コンビニのショタボおねーさんだよ！」

「あ、ホントだ。さっきの人だ。どーも」

「わぁー！ホントだ！」

『んふふ。初めまして、メッシャーズの皆さん。
新人ライバーの、龍政宗です』

「え！？」

「うそ！？」

「あぁ、やっぱり」