40話 ページ46
神威said
救護室に向かっている途中、珍しく大人しいA
本当に熱あるんだな、此奴。
「しんどい?」
「まぁまぁ」
「そ、働き過ぎなんじゃない?たまには息抜きしないと」
「私まで仕事しなくなったら阿伏兎が死んじゃうでしょ。…大体神威がちゃんとしてくれたらこんな事になって無いと思うんだけど」
ジロっと俺を見てくるA
顔が火照っていてあんまり怖くないし、俺だって殺る時は殺るよ
「逆に、俺が仕事したら気持ち悪いでしょ?それこそ俺、死んじゃうかもしれないよ」
「まぁ、確かに…」
話している内に救護室に着いた
「到着〜」
ガチャ
「あり、誰も居ない。」
「ほんとだ…もう降ろしてくれて良いよ、ありがとう」
ベッドの上にAを降ろす
「体温計ってヤツで熱測るんでしょ」
体温計とやらを探す、確か小さい棒状の物だった気がする
それらしきヤツを戸棚から取ってきてAに渡す
「ありがとう…なんか優しいね」
そう言いながら熱を測る
「一応病人だしね。しかもこうでもしないとお前、安静にしないだろ」
段々辛くなって来たのか、力無く笑うA
「うん…」
ピピピピ、ピピピピ
体温計が鳴る
「何度だった?」
「37.6度、微熱だね」
「食欲は?」
「…あんまり無いなぁ」
「普段あんなに食べるのに食べないなんて、余っ程なんだね。あと何かある?」
熱にやられているのか、いつもより話すのが遅いA
「少し寒いかな…後、体が痛い」
「そっか、取り敢えず横になってなよ。水持ってくるから待ってて」
「ごめんね、ありがとう」
「いーよ、その代わり元気になったら俺の分の仕事頑張ってね」
「ふふ、…それいつも通りだよ」
ガチャ
ドアを閉める
俺は誰にでも優しい訳じゃ無いよ、お前にだからするんだって言ったらお前は何ていうんだろうね。
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作者名:まひろ | 作成日時:2017年10月31日 1時