Malachite (ページ5)

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dt「分かってる！
今更だってことも許して貰えるわけないってことも。

だけどどうしても...どうしても、謝りたかった」

俺の前に守るようにして立つ目黒の肩を叩いて、もう大丈夫だと目で訴える。

目黒は涼太の耳元で何かを呟いて、「なんかあったらいつでも呼んでください」と言い残して帰って行った。

dt「○太。」

nb「今まで何してた、なんで居なくなった。俺の何が悪かった？俺は、俺はずっと...！」

涼太に縋り付くように捲し立てる俺の肩をそっと抱いて、いつもの優しい笑顔で告げた。

dt「ここじゃなんだから、俺の家へおいで。今までのこと、謝らせて欲しい。」

すぐに答えが欲しかったけど、ここでは誰に見られるか分からないし、大人しくついて行くことにした。

緊張しつつ家に入ると、10年前と変わらず綺麗で、黒で統一された落ち着いた部屋だった。

「適当に座ってて」と誘導されソファに腰掛けると、コト、とマグカップが置かれた。

nb「ホットココア...」

dt「...もう好きじゃなくなっちゃった？」

nb「ううん、今でも好き。」

俺がむしゃくしゃしたり落ち込んだり、心を落ち着けたい時にいつも涼太が淹れてくれた。

甘くてあたたかいこの味が、大人になった今でも大好きだった。

自分の分も机に置くと、涼太はぽつりぽつりと、あの夏からのことを話し始めた。