Malachite (ページ13)

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呼ばれた方に振り向けば、すっごく優しい顔をしたふっかが腕を広げて立っていた。

fk「ほら、おいで。」

nb「っ、」

恥ずかしさもプライドも忘れて、細っこい腕の中に飛び込んだ。

細いけど、あったかくて安心する、俺の好きな体温。

fk「○太なんかあったんでしょ。分かりやすすぎだわ。笑」

どうやら気付かれていたらしい。

やっぱり、こいつには敵わない。

nb「...ドラマ、」

fk「うん、ドラマ、頑張ってんね」

nb「緊張してうまくできない、つかれる」

fk「うんうん、緊張するよね。出演者豪華だもんね」

ふっかの相槌がうまいのか抱き締められて安心したのか、するすると言葉が出て来る。

まるでふっかの術中に嵌ったみたいに、いや、嵌ってるんだろうな。

fk「大丈夫大丈夫、○太はちゃんとやれてる。」

子どもをあやすみたいに、優しく優しく頭を撫でてくれる手が、昔から好きだった。

思えば、仕事で緊張した時や失敗した時、頼るのはいつもふっか。

この手に、何度助けられたんだろう。

nb「...ぅぅ、」

fk「ふは、だぁいじょうぶだよ。

しょーたの頑張りは俺がいちばん近くで見てるから。ね？」

気付けば涙が溢れていて、ふっかのだいじなTシャツをじんわりと濡らしていた。

fk「この家には俺しかいないから。思いっきり泣いちゃえばいいよ」

その日はふっかの風呂にも着いて行ってもう1回入ったし、寝る時にはいつもの何倍も近付いて抱き着いて寝た。

俺がどんだけ甘えても「はいはい」って受け入れてくれるこいつはやっぱりすんげえ優しい。

nb「たつや」

fk「っえ、今辰哉って言った...？」

nb「たつや、寝る前にちゅーして寝て」

fk「ちょ、もう...笑

わかったよ、てかこれから毎晩しよ。」

ふっかの厚くてふにふにした唇が、俺のそれに触れる。

それだけで、満たされたような気持ちになれた。

fk「大丈夫、俺がついてるからね。

...おやすみ、○太。」

いつまでも、こうやってたつやに甘えていられますように。