異常学級 (ページ1)

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入学式ページ1

母に見送られて家をでる。
見送ったと言うべきかは分からないが。
門のしまる音が耳に障る。
ガチャリ、と。
後ろから鍵のしまる音が聞こえた。
振り返っても誰もいない。聞こえるのは漏れたテレビの音だけ。
何時もとなんら変わらない。
くるりと家に背を向け、私はゆるりと歩き出した。

数分後
数えてはいないのでなんとも言えないが、十分弱たったであろう。
私は校門をくぐった。
本当にくぐる訳でもないのに、何故くぐるなのだろう？
どうでもいいような疑問が湧き出てすぐに消える。
周囲の木々は殆どが桜であり、どれも満開だ。
花見日和であることは、間違いないだろう。

"花見"

風流で雅な催しだと勝手に思っているが、
なにせ花見等、生まれてこのかたしたことがないのだ。
わかるはずもない。
私が知っているのはインターネット等で見た、表面上の情報だけだ。
またどうでもいいような事を考えながら、私は校舎を見上げた。