54.★縮まる距離☆ ページ14
・
思いきり抱きついた私はそっと
耳を団長の胸に近づけて鼓動を聞く。
心臓の鼓動はかなり速く動いていた。
驚いた私は団長の顔を見上げる。
「…………っ!」
微かにいつも冷静な団長の頬はほんのり
桃色になっていた。
『え……っ!? だ、団長、頬が赤く……!』
私がそう言うと、団長は急いで
私の目線から顔を反らした。
その急いでいる感じが大人なのに
何処か可愛らしく、思わず笑みが零れた。
「……なぁ、まだ敬語使っているのかい?
それに、君はもう私の恋人だ。
“エルヴィン”って、呼んでくれないか?」
急な事で私は驚きを隠せない。
今さっき付き合い始めたからって
タメ口と“エルヴィン”と呼べ……か。
とりあえず、エルヴィンと
呼んで見ようと思う。
「え、え、え、エル、エルヴィンッ!」
名前を呼ぶだけで心がキュウッとして
顔が自然と赤くなる。
「壊れたレコーダーみたいだな、A。」
初めてエルヴィンに“A”と
言われて心臓がざわめき出す。
そんな中、エルヴィンは
仕返しをしたかの様に私の胸に耳を当ててくる。
『あっ……エル……ヴィンッ』
全身が暑くなって体が硬直する。
「Aの方が鼓動が速いぞ?」
意地悪なエルヴィンは
私をからかってくすりと笑っている。
『あ、ありがとう…っ、エルヴィン。』
久しぶりに私は笑った気がする。
今は一言で表すと“幸せ”だもん。
今まで以上に縮まった距離は
私の心をふんわりとした
雰囲気でいっぱいにさせる。
私は今、幸せだ。
・
・
・
…………今は、ね。
28人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霰餅おかゆ@スミス廃(プロフ) - アランさん» 此方にもコメントありがとうございます! まっひーと共に頑張らせて頂きます♪<(__)> (2015年8月1日 5時) (レス) id: 3047c4c577 (このIDを非表示/違反報告)
アラン - ヒカリの手紙ッ!続き頑張ってくださいッ!! (2015年7月20日 21時) (レス) id: ccdc2d66fe (このIDを非表示/違反報告)
まひまひ♪(プロフ) - 鳳来哲生さん» コメントありがとうございます♪粥ちゃんと共に、頑張ります!! (2015年4月17日 21時) (レス) id: 3dfe2acfb4 (このIDを非表示/違反報告)
鳳来哲生(プロフ) - 続編、おめでとうございます!!(^^*)これからも、楽しみにしてます(*^▽^*) (2015年4月15日 23時) (レス) id: dece52004d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:霰粥・まひまひ♪ x他1人 | 作者ホームページ:http://ulog.u.nosv.org/user/okayu0013
作成日時:2015年4月12日 3時