終焉の恋【エルヴィン】 (ページ27)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:27,270 hit

26.★負けない心☆ ページ27

「そう…なのか、ヒカリ？」

団長はヒカリに問う

ヒカリはずっと黙っている

図星のようだ

過去を振り返ればいつもそうだった

ヒカリが割った花瓶も父が来たとき、
私の所為にされた

父はヒカリが嘘をつく訳が無いと言って
私の所為になった

“信用”…

確かにそれは大事な事…

だけど、私には努力してきた人一倍回る頭がある

だから、頭を使ってヒカリの信用を
無くしてやる

今まで、ヒカリの“嘘”でどれだけ
苦しんで来た事か彼奴はわからないだろう

「ヒカリ、何とか言ってくれ」

団長がヒカリに言った途端、
ヒカリは団長の胸ぐらを掴み、
団長の背を低くしてヒカリが爪先立ちをして
唇を重ねた

『…………………』

激しいキスは“クチュ、クチュ”と
イヤらしい音をたてている

「あ………A…っ」

お兄ちゃんが気を使っている

私は腹がたったので、床にいた
毒蛇をヒカリに投げつけた

「きゃ…！！」

ヒカリは急いで唇を放す

『うん、見せつけたかったのね？
でも私はもう、泣かないって決めたから！
強くなるって誓ったから！
そんなんで私を泣かすつもり？
ご愁傷さまでした、さあ出てって』

無理矢理二人を追い出す

そんな事でもう泣かない

泣いたらヒカリの思う壺だもん

私は私の戦い方で戦っていく

例え、恋が終焉になったとしても！！

「……言ったわね、A…
後悔しても知らないから……………」

睨みを利かしてきたヒカリに笑顔で答える

『ふふふっ、ご忠告ありがとうヒカリちゃんっ』

ヒカリは舌打ちをした後、
団長とお兄ちゃんの部屋を出ていった

私には、お兄ちゃんがいる

だから、絶対に

負けない