終焉の恋 【エルヴィン】

24.★過去の苦痛☆ ページ25

何で…団長は私の努力していた事を
知っているのだろう





別に…自慢した訳じゃない






むしろ、見られたくない位だ







そうだ、団長は…






“正しい”で人への味方に付くんだ






正直、今ヒカリに付いているとは言い難い







「…私だから、何て努力しても報われないの」







ヒカリの声の音量が小さくなったのがわかった








「…“努力の量”じゃないかな？」








…確かに、努力もしない人間が
首席をとるのは可笑しいだろう…









「……もう…遅いよ………」








ヒカリが涙声で廊下に走って行くのが聞こえた






「……追いかけた方が良いか…？」







少し疑問になりながらも団長も
ヒカリの後を走って行った









さっき聞いた団長の言葉を思い出す







“Aが何も努力せずに
総合首席を取ったと思うか？”









……………団長は……私を……






ずっと…………







……見ていてくれたんだ……









…………なのに…私は………








………信じてくれないからってあんな事を………









「………A…？」







お兄ちゃんが私に話しかける






『……何？お兄ちゃん？』








お兄ちゃんはぽんぽんと頭を撫でてくれた







『……？』







ただ、ひたすら…








「……苦しかっただろ？
………でも、大丈夫…
これまでも、これからも、
僕はAの味方だから……」








お兄ちゃんは優しく微笑んでくれた









私でも暗くて気づいていなかったが、
きっと、お兄ちゃんは気づいていたんだろう









私がいつの間にか泣いていた事を…

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