終焉の恋 【エルヴィン】

22.★駑馬十駕☆ ページ23

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そして、二人が入って来ると
本棚の本が一気に崩れ落ちる






「きゃあ！」





ヒカリの叫び声がして、ドサッと音がした






「あ…ありがとう、エルヴィン…」





団長が庇ったのか…紳士だな



「ハハハハハッ！やられたよ…！
あの双子は面白いなぁ！想像がつかないよ！」



…団長は凄い笑っている





そんな中、誰かの舌打ちが聞こえた




「失礼…それでさ、親友だから
わかるけど、どうしてAを
追いかけるのだい？」






……確かに、親友だからってここまで
追いかけるのは少し可笑しい






僕は二人の会話に耳を傾ける






「…Aに…私の苦しみを知ってほしいの」





………え？…今、苦しんでいるのは
誰でもない、Aじゃないか




「…………ん？」





団長も疑問に思っている様子だ




「Aと居ると…運動神経抜群、
頭もいい、頼りになる、弱点がない
…私の立場がないじゃない…
だから、私の立場を知ってほしいの
才能有るからって調子乗ってるのよ…」







……ヒカリは何を考えているんだ？








「うーん…ヒカリは“駑馬十駕”って
知っているかい？
『才能がない人間でも努力すれば
才能の有る人間を抜かす』って意味だ
ヒカリは努力しているか？
いつか、ヒカリも抜かせるよ
正面からぶつかって行こう」






…確かに、団長は正論だ



こんなセコい事をしても何も変わらないだろう






「エルヴィンも…Aの味方をするの…？
エルヴィンは…私の味方でしょ？
…なら、Aを一緒に探してよ」





……は？





『んん…？』



…僕じゃ理解ができない事を
ヒカリが連発している時にAが
起きてしまった





Aは目を擦りながら状況を理解し、
小声で僕に問いかける





『お兄ちゃん…ヒカリは何て言ってたの？』








…まずい…Aに本当の事は言えない…………

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