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7話 ページ8

あずきちゃんと会ってから、そう時間が経たないうちに、寮へ戻ってきた。
天気も良いし、中庭で食べようか。

持ってきた本をベンチに置くと、水まんじゅうを食べ始める。


「うん、美味しいね。あと100個は食べれるな。嘘だけど。」

「あ〜、Aだ〜。何食べてるの〜?」

「捧げられし神々の供物って言う名のミルフィーユだよ。」


適当に考えた厨二的名前を言う。
橋倉ちゃんは、少し考えると、


「嘘でしょ〜?どう見たって和菓子だもん。」

「あらら、バレちゃった?水まんじゅうだよ。さっき買ってきたんだ。」

「いいな〜。美味しそうだな〜。」


目を輝かせて、ぼくの水まんじゅうを見つめる橋倉ちゃん。もしかしなくても、一口食べたいのだろう。


「あげよっか?」

「いいの〜!?」

「はい。あーげたっ。」


一口分の水まんじゅうを、橋倉ちゃんの口ではなく、上にあげた。
むむ〜っ、と唸る橋倉ちゃんが面白い。


「嘘だよ。ほら、美味しいでしょ?」

「うん!美味しいね〜!」


いつも通り、頭に葉っぱをつけたままの状態で、嬉しそうにする橋倉ちゃん。
少しの間、話していると、前方から1人歩いてくる人影が見えた。


「杏先輩?と、Aさん。何してるの?」

「ミー、あのね〜、Aが水まんじゅうくれたんだ〜。」

「へ〜、美味しそうだね!」

「美味しいよ。それにしても、今日もミーちゃんは可愛いね。嘘だけど。」

「えっ?」


やって来たのは、dropのミーちゃんだった。
橋倉ちゃんを見かけて、話しかけたらしい。
ぼくの可愛い、が嘘だと聞くと、悲しそうな顔を見せる。


「超可愛いってこと。ぼく、ミーちゃんはこの学校で1番可愛いと思ってるんだ。これは本当だよ?」

「そっかぁ…、びっくりしちゃったよ、もう。」


ぼくだって、こんな可愛い子他には滅多に居ないと思ってる。これは本当かもね。
少なくとも、嘘だと分かってから、笑顔を見せたミーちゃんは、とっても可愛いという事だけは明確でしょう。


「って、杏先輩。これから練習だよ?早く行こ!」

「おっとっと…、じゃあね。A〜。」

「じゃーね。」


ミーちゃんが橋倉ちゃんの腕を引っ張っていく。
橋倉ちゃんは、引っ張られつつも、こっちに手を振っていた。

ぼくも手を振り返すと、残った水まんじゅうを食べる作業を開始したのだった。


「うーん、やっぱり美味しいな。」

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マグロ隊長 - 亜紀さん» 読んでいただきありがとうございます!続編というか、ただこの夢主ちゃんで恋愛的なのを書こうと思っただけなんですけどね…笑椿くん良いですね!これから考えてみます(^_^*) (2018年11月6日 23時) (レス) id: ff77c9afb9 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 私は個人的に椿が好きなので絡ませて欲しいなと(((殴、コホン…なんでもありません。最後になりましたが応援します、頑張ってください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。いやぁ、私結構僕っ子好きなんですよね、だから嬉しかったですよ夢主が僕っ子で!続編?書いてくださるんですか!?ぜひ読ませてください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マグロ隊長 | 作成日時:2018年9月28日 1時

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