6話 ページ7
Aside
街中を歩いていると、ビルの画面から声が聞こえてくる。
乙女向けゲームのCMだ。
確か、見たことがある…。宝石ヶ丘の『エメ☆カレ』だ。この間、電車で見かけた女の子もプレイしていたなぁ。
「ねぇ、あれって…」
「うそ?本物…?」
一箇所に人が集まっていく。
一体何の騒ぎだろうか。ぼくは野次馬心から、見に行くことにした。
どうやら、エメ☆カレのメンバーがいたようだ。
ただでさえ目立つメンバーが多いから、見つかって囲まれたってところかな?
「どれどれ…」
やっぱり!メンバーのハルちゃんと雛瀬ちゃんだ。
しばらく観察してたら、ハルちゃんの車で寮にでも戻ったのだろう。
なかなか面白いものを見させて貰ったな。
「さてと、水まんじゅうでも買ってくかな。」
ちなみに、ぼくは顔出しはしていないので、街中でバレることはほとんどない。
流れていく景色を見ながら、数分。
「いらっしゃいませ。」
「あっ」
和菓子屋に入ると、宝石ヶ丘中等部の制服を着た生徒がいた。
ついさっき街中の画面で見た顔。
メンバーでは小さな身体の彼。
「あーずきちゃん?」
「っ!?」
肩に 手を置くと、あずきちゃんはびくっと肩を震わせた。
ぼくの顔を確認すると、素早くノートに字を書き始めた。やっぱり、まだ口で会話はしてくれないか。
《榎本さん、驚きましたよ。偶然ですね。》
「そうだね。バームクーヘンを買いに来たんだよ。」
《ここは和菓子屋ですよ!?》
「あっはは、嘘だよ。水まんじゅうを買いに来ただけだよ〜。」
ぼくの嘘に、あずきちゃんは驚きの表情を浮かべて、速筆する。
ぼくは水まんじゅうを2つ買うと、その内1つをあずきちゃんに渡す。
「和菓子、好きなんでしょ?よく考えたら、2つ一気には食べないからさ。あげるよ。」
「お主は…、和菓子が好きなのか?」
「おっ、やっと声を聞けた。うんうん、和菓子はそんな好きじゃないよ?嘘だけど。本当は大好き。」
「そうかそうか!和菓子が好きなのか!今度、うちの和菓子も食べて欲しいものだ!」
水まんじゅうを手渡すと、あずきちゃんは口を開いてくれた。両手でそれを持ったまま、ぼくに和菓子が好きなのかを聞いてくる。
実は、あずきちゃんがちょっと可愛かったから水まんじゅうをあげた…、なんて言ったらまずいか。
和菓子は好き、と答えると、あずきちゃんは嬉しそうだった。
今度、あずきちゃんのとこの和菓子を食べてみようか。
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マグロ隊長 - 亜紀さん» 読んでいただきありがとうございます!続編というか、ただこの夢主ちゃんで恋愛的なのを書こうと思っただけなんですけどね…笑椿くん良いですね!これから考えてみます(^_^*) (2018年11月6日 23時) (レス) id: ff77c9afb9 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 私は個人的に椿が好きなので絡ませて欲しいなと(((殴、コホン…なんでもありません。最後になりましたが応援します、頑張ってください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。いやぁ、私結構僕っ子好きなんですよね、だから嬉しかったですよ夢主が僕っ子で!続編?書いてくださるんですか!?ぜひ読ませてください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マグロ隊長 | 作成日時:2018年9月28日 1時