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5話 ページ6

千紘side

ナナと昼飯を食べ終え、屋上で少し休憩する事にした。


「千紘さん、よくそんな甘いの食べれますよね。」

「つぶあん丼か?葵も食べるし、普通じゃないのか?」


今日、俺はつぶあん丼を食べた。
ご飯につぶあんが大量に乗った丼だ。俺以外に食べる人なんて知らなかったけど、葵も好きそうだったな。
ナナは駄目っぽいけど。


「あれ?千紘さん、何か聴こえませんか?」

「歌声…?」


屋上の扉の前、耳を澄ますと、声が聞こえてくる。
中性的な声。歌声は美しい旋律をなぞり、心地よく俺の耳に入ってくる。

俺とナナは、気になって扉を開けた。

そこに居たのは、嘘つきで有名な生徒だった。


「ん?誰だ?」


その生徒がイヤホンを外し、振り向くと1つ風が吹いて、俺たちの髪を巻き上げる。
長い髪が、風になびいている。


「あっ、すみません。邪魔しちゃいましたか?」

「本当そうだよ。邪魔だね。さっさとどっか行っちゃってよ!」


ナナが咄嗟に謝るが、その生徒は邪魔だと言い放つ。
しかし、すぐに「嘘だけどね。」と言った。
俺はその場に留まると、ナナが戻ろうと催促してくるが、俺は戻るつもりなんてさらさら無かった。


「嘘ってことは、ここに居てもいいんだな?」

「まぁ、ぼくだけの場所じゃないしね〜。千紘ちゃんとナナくんはどうしたの?」

「いや、ただ休憩しに来ただけって感じっすね。」


特に意味など無いが、少しだけ3人で話すことになった。
ナナも、Aのことは知ってるっぽい。
お互いに仕事や学校の話が続く。
その内のどこまでが本当かは分からないけど、悪い時間ではなかったと思う。


「ぼく、そろそろ行くね!今度どら焼きラテでも持ってくるよ。嘘かもしれないけどね。」

「はーい、って、また嘘…?」


俺たちの返事も聞かず、屋上から去ってしまった。
結局最後まで嘘ついてたな…。


「ナナ、俺たちもそろそろ行くか。」

「そっすね。授業始まっちゃうし…。また後でっすね!」


元気に教室へ走っていくナナ。
俺も早く戻らないとな。

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マグロ隊長 - 亜紀さん» 読んでいただきありがとうございます!続編というか、ただこの夢主ちゃんで恋愛的なのを書こうと思っただけなんですけどね…笑椿くん良いですね!これから考えてみます(^_^*) (2018年11月6日 23時) (レス) id: ff77c9afb9 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 私は個人的に椿が好きなので絡ませて欲しいなと(((殴、コホン…なんでもありません。最後になりましたが応援します、頑張ってください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。いやぁ、私結構僕っ子好きなんですよね、だから嬉しかったですよ夢主が僕っ子で!続編?書いてくださるんですか!?ぜひ読ませてください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マグロ隊長 | 作成日時:2018年9月28日 1時

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