36話 ページ38
「冴…、お前泣いてるのか?」
「はっ、んな訳あるか。目を擦りすぎただけた。」
「あいつは…、Aは消えちまったな。」
冴は赤くなった目元のまま、中庭の椅子に座っていた。幸弥は立ったまま、マスクを外して語った。
数時間ほど前、暁に染まり始めた空にAは消えた。
成仏したのかどうかすらわからない。
最後の最後まで、何を考えているのかわからない奴だった、と言う幸弥。
「あいつの願いは、古くの友人と再会することじゃなくて、失った青春を過ごす事だったのかもしれないな。」
学園生活を過ごしている彼女は、本当に楽しそうだった。
教師として、生徒たちをよく見ていた冴は、それをよく知っていた。それは、彼女が問題児だったからかもしれない。
「こっちが差し伸べた手を、掴むことさえしない奴だ。全く、変な奴だったよ。」
「彼女は、いつかひょっこり現れるかもしれませんね、荒木先生?」
幸弥は、普段皆の前で話すような口調にもどす。
冴は静かに笑うと、1人暗闇の中涙を流した。
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マグロ隊長 - 亜紀さん» 読んでいただきありがとうございます!続編というか、ただこの夢主ちゃんで恋愛的なのを書こうと思っただけなんですけどね…笑椿くん良いですね!これから考えてみます(^_^*) (2018年11月6日 23時) (レス) id: ff77c9afb9 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 私は個人的に椿が好きなので絡ませて欲しいなと(((殴、コホン…なんでもありません。最後になりましたが応援します、頑張ってください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。いやぁ、私結構僕っ子好きなんですよね、だから嬉しかったですよ夢主が僕っ子で!続編?書いてくださるんですか!?ぜひ読ませてください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マグロ隊長 | 作成日時:2018年9月28日 1時