31話 ページ33
「やっぱダメだな。この時期になると、ぼくの身体は不安定になるみたい。」
「死んだ日が…近いのか。」
「そうだね。僕の死んだ日は、ちょうど1週間後の夕方。現実に引き戻されてるのかもね。」
命日が近いことにより、霊体に戻ったりと不安定だったのだ。
だから、特待生と出かけたときに不意に消えたり、蛍から貰った飲み物が手からすり抜けて落ちたりした。
その度に、Aは死の実感をひとり受けていたのだ。
荒木は、そこまで読めていたわけではない。もちろん、20年以上前の生徒だったことも毛頭知る由もなかった。
ただ、書類等に違和感を感じ、へんてこな本からAの本性を知ろうとした。
「でも、バレたからにはぼくはここに居られない。さっさと消えるしかないよね。
…じゃあね、冴ちゃん。悪くはなかったよ。ここしばらくの間はさ。」
「A…」
Aがこの場所を、宝石ヶ丘を、この世から去ろうと一歩踏み出したとき、屋上の扉が開かれて特待生が飛び出した。
「待ってください！！」
「特待生！？」
「…ひかりちゃん。」
後ろには、ほかの生徒たちもたくさんいた。
盗み聞きでもしていたのだろう。次々と雪崩のように人が入ってくる。
その中、特待生は凄い剣幕でAに駆け寄る。
Aの両肩を掴み、半ば叫ぶように語り出す。
「嘘ですよね！？Aくん、また遊ぼうって言ったじゃないですか…、それも、それも嘘だったんですか！？」
「ごめんねひかりちゃん。全部嘘だったんだ。」
「嫌です…！私…Aくんと練習して、お出かけして、すごく楽しくて…っ」
「特待生。」
涙声で語る特待生に、残酷な真実をつきつけるA。特待生の肩を掴んで制止する青柳。
その場で泣き出す特待生。
彼女は声優になる夢を諦めきれず、この学校へ入学したのだ。Aの気持ちもわかるのだろう。
「グラン・ユーフォリアの時だって…、Aくんは私を信じてくれて…、成功したのはAくんのおかげでもあるんですよ…！」
「あぁ、そんなこともあったっけ。」
どこか寂しそうなAが、遠くの方を眺める。前髪でどんな表情をしているかはわからない。
彼女は、特待生が来て間もない頃を思い出す…
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マグロ隊長 - 亜紀さん» 読んでいただきありがとうございます！続編というか、ただこの夢主ちゃんで恋愛的なのを書こうと思っただけなんですけどね…笑椿くん良いですね！これから考えてみます(^_^*) (2018年11月6日 23時) (
レス) id: ff77c9afb9 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 私は個人的に椿が好きなので絡ませて欲しいなと(((殴、コホン…なんでもありません。最後になりましたが応援します、頑張ってください！！ (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。いやぁ、私結構僕っ子好きなんですよね、だから嬉しかったですよ夢主が僕っ子で！続編？書いてくださるんですか！？ぜひ読ませてください！！ (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マグロ隊長 | 作成日時：2018年9月28日 1時
