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18話 ページ19

愛澤side

「よーしよし、猫ちゃん…今日も元気してたか?」


俺は、廃墟近くで猫の世話をしていた。
廃墟に猫、あとは漫画みたいにヒロインが現れれば完璧なんだけどなぁ…

その時、風が吹くと同時に背後に気配を感じる。
来た!?来たか!?

期待を持って振り向くと……


「あれ?猫と遊んでるの?」

「野郎じゃねぇかこのスットコドッコイが!」

「あっはは、ごめんね。可愛いヒロインじゃなくってさ。」


登場の瞬間までは完璧だったはずなのに、そこにいた人物だけが間違いだった。
見た目は女と間違えることも無くはないから、またタチが悪い。猫を撫でながら、勝手に話し続けた。


「それで?愛澤ちゃんはここで何してたの?」

「そりゃ猫と戯れる所に美少女が現れるっていう…って、何言わせるんだコンコンチキが!」

「はー…、じゃあひかりちゃんでも連れてきた方が良かったかな?」


わざとらしく肩をすくめる榎本。
確かに特待生ならシチュエーションは良い…けど、それは今はどうでもいい。

ふと、思い出したかのように榎本が話しだす。


「そうそう、ひかりちゃんといえばさ。ぼく、今週末デートすることになったんだよね〜。」

「なっ…!?」

「嘘じゃないよ!」

「お、おい待て!」


いつもなら「嘘だよ!」というところを、今回は嘘じゃないと言った。追求する間も無く去っていった…

榎本が特待生とデート!?そんな…いや、本当なのか?でも嘘つきのあいつだ。デート自体が嘘かもしれない…

あーもう!訳わかんなくなってきちまった!
早く帰って少女漫画の続きを見よう!


「にゃーん」

「あっ…ごめんな。寮じゃ飼えねえんだ。また来るからな。」


猫を撫でて、俺は寮へと戻っていった。
漫画を見ようと思っていたのだが、部屋はいつのまにか汚部屋になっていた。


「あ、おかえり心。」

「黒曜…また散らかしやがって…」

「散らかってないよ?」

「あー!もう片付けるぞ!スットコドッコイが!」


俺は汚部屋を掃除するのに手一杯で、結局今日は漫画の続きを見ることができなかった。

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マグロ隊長 - 亜紀さん» 読んでいただきありがとうございます!続編というか、ただこの夢主ちゃんで恋愛的なのを書こうと思っただけなんですけどね…笑椿くん良いですね!これから考えてみます(^_^*) (2018年11月6日 23時) (レス) id: ff77c9afb9 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 私は個人的に椿が好きなので絡ませて欲しいなと(((殴、コホン…なんでもありません。最後になりましたが応援します、頑張ってください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。いやぁ、私結構僕っ子好きなんですよね、だから嬉しかったですよ夢主が僕っ子で!続編?書いてくださるんですか!?ぜひ読ませてください!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 65d880c966 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マグロ隊長 | 作成日時:2018年9月28日 1時

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