苦労の記録127 ページ27
『彼奴がぁ?』
「雪也が」
『世も末〜…』
無いわァ、と引きながら紅茶を啜る。矢張り此処の給湯室は居心地が特級レベルで良い
学校終わりの気疲れ精神を癒す為、あとその日の報告をし合う為に、よく私と志賀は此処に来る。
にしても、あの先輩人気者かー
んー、と納得いかない顔が出来上がる
『…まあでも、顔いいもんなぁ…雪也先輩』
「性格が紳士じゃないとはよく言われてるみたいです〜」
『人の事言えたもんじゃねぇよ志賀』
「Aもですね〜」
なんだとこの野郎と紅茶を掛ける勢いになったが、扉が開いたので其方に気を取られた
だが多分あの人だろう、彼も最近は良く此処に来る。私達が居ると分かってて来るらしい
「よう、お疲れ」
「中也さんもお疲れ様です〜」
『お疲れ様です、志賀が珈琲煎れましたよ』
「お、じゃあ飲むわ」
恐らく彼は未だ仕事が終わってないだろう。仕事の合間の休憩、といった感じで此処に来たようだ。証拠に、手にインク痕が付いてる
此の人も大概な仕事人だな、と素直に尊敬した
珈琲を持って向かいのソファにどっかり座る中也さんは、本当に素直に敬意を払える上司である。最初こそ(私が)毒を吐く事が多かったが、今や心から尊敬してる。本当に面倒見の良い上司なのだ。まあ、重力で潰される事も耐えないが
おっと、物思いに耽けりすぎた
はっとして、目の前の事に思考を当てる
中也さんは少し神妙な面持ちになっていた
「首謀者の目星付いたか?」
その一文は、志賀と私の言葉を詰まらせた
そろそろ見つけなければという重圧が重くなってきたのは、感じていたのである
言い淀む私の代わりに志賀が応えた
「俺と芥川で2〜3年、Aが1年に重点を当てて調べていき、気になる人物をピックアップして深く探っています。今の所怪しいと特定出来るのは10名ですね」
「思ったより絞ったな…見落としないか?」
「そこら辺は芥川が先陣切って脅してるので問題無いかと…」
『えっ芥川とコミュニケーション取れてんの?』
「はい、割と。任務の事なら確り質疑応答しますよ」
信じらんない!と心で叫んだ。だって、昨日彼奴に任務の質問をしたら自分で考えろ愚者め、って言われたから私すごすご帰ったんだぞ?!
それなのに、志賀には応えるって?差別だ!何が原因だ!
心境が顔にもろ出ていたのか、中也さんが舟を出す
「まあAは、太宰の直轄部下だからなァ…芥川と似てる分、向こうが敵視してんだろ」
『理不尽!』
1778人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メガネ第2号(プロフ) - かえる。さん» 返信激遅でごめんなさい、更新しました!コメント励みになります、遅筆ですがぜひ最後までお付き合い下さい。 (2022年8月28日 6時) (レス) id: 652442107f (このIDを非表示/違反報告)
かえる。(プロフ) - やったー!更新してる!(≧▽≦) (2022年5月24日 21時) (レス) @page46 id: 06d9623eb5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 望務さん» ひい!!嬉しいです。文章少し長くなったりしてうざったいかもしれませんが頑張って書きます!ありがとうございます! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 紺さん» 前々から読んでいてくれていたんですね!出戻り嬉しいです、本当にありがとうございます!コメント励みになります、頑張りますね! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 小夜子さん» 返信遅くなってごめんなさい!コメントありがとうございます、他の作品も読んでくれているようで凄く嬉しいです!文スト4期公開楽しみに頑張ります! (2022年5月24日 20時) (レス) @page46 id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2018年7月3日 4時