苦労の記録123 ページ23
いい感じに壁が有るので私は隠れた
向こうも小さな声で話している為、物音を立てないよう慎重にする。まあここら辺はマフィアに入って慣れた作業だ
『(んー…もうちょいで聞こえそう…)』
ぐい、と更に身体をのめり込ませた時、漸く声が少しだけクリアに聞こえてきた
「…っ好きです!」
帰ろう。聞くんじゃなかった
何故私はこんなものの為に必死になって聞き耳を立てたんだ
だが帰ろうにも、今全く向こうに会話がない為、少しでも動いたらバレてしまいそうな程の静寂さである
『(仕方ない…終わるまで待つか…)』
最悪だが、そうするしかないな。と、その場に居座る事にした
「…ごめん、気持ちは嬉しいけど…」
「…彼女が居るんですか?」
「うん」
申し訳なさそうに相手はやんわりと告白を断った。思ったより良心的な人そうだ
「……じゃあ、誰ですか?」
「え…と、」
おおっと、真逆の食い下がったー!!
そんなに追い詰めてやるなよ…あっさり去ろうぜ、私もそろそろ帰りたいんだよ
だが男の方、何やら言いあぐねている。まあそりゃサラッと彼女の名前言えるわけないよなぁ
隠してきたんだとすれば。
「誰ですか?」
「…あー…」
「…居ないんですか?嘘ですか?」
思わず面をくらった
あっ、そっち?真逆嘘だったの?そりゃあ無いよ、可哀想だよ女の子。しっかりキッパリ嘘吐かずに振らないと。
何様なんだという感じで勝手にこの青春劇場に批評をする
───そのバチが当たったのだろうか。男と目があってしまった
「!」
『(やば…っ!!)』
慌てて身を更に奥に隠すも、男は完璧に此方に気付いていた。だって目見開いたし!
やばい、もうこれはさっさと帰らないと!
焦って足を振り出し、帰ろうとする
その時、思い切り身体の重心が後ろに傾いた
体は傾き、頭の端で危ないと思ったが、杞憂だった。頭がぽす、と綺麗に何かに埋まった
『え、』
思わず驚きの声が漏れた
途端に嫌な予感が身を襲う
背中に嫌な冷や汗が流れた、ような気がした
「こんな所に居たんだ」
『…は?』
ほらぁ、やっぱり…。
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メガネ第2号(プロフ) - かえる。さん» 返信激遅でごめんなさい、更新しました!コメント励みになります、遅筆ですがぜひ最後までお付き合い下さい。 (2022年8月28日 6時) (レス) id: 652442107f (このIDを非表示/違反報告)
かえる。(プロフ) - やったー!更新してる!(≧▽≦) (2022年5月24日 21時) (レス) @page46 id: 06d9623eb5 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 望務さん» ひい!!嬉しいです。文章少し長くなったりしてうざったいかもしれませんが頑張って書きます!ありがとうございます! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 紺さん» 前々から読んでいてくれていたんですね!出戻り嬉しいです、本当にありがとうございます!コメント励みになります、頑張りますね! (2022年5月24日 20時) (レス) id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
メガネ第2号(プロフ) - 小夜子さん» 返信遅くなってごめんなさい!コメントありがとうございます、他の作品も読んでくれているようで凄く嬉しいです!文スト4期公開楽しみに頑張ります! (2022年5月24日 20時) (レス) @page46 id: 5b50776276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2018年7月3日 4時