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苦労の記録7 ページ7

「よし!決めた、君をマフィアに入れよう。」

黙考のあと、目の前の彼はパチンと指を鳴らしてとんでもない発案をした。良いこと思いついた!とでも言いたげだったが、私は分かりやすく慌てだす。マフィアだって?冗談じゃない!


「冗談じゃないって顔をしてるね。」

「!いや、……そんなことは、」

図星を付かれて口ごもると、太宰はそんな私に畳み掛けるように自分の考えを示した。


「君にとっても都合がいいはずだよ、見たところ君は行く宛てが無いんだろう。」

「……。」

見たところで分かるわけないが、持ち前の頭脳でそう推理した太宰さんはにこりと私に微笑んだ。


「ポートマフィアに入れば衣食住の保証はする。対価は君の労働力だ。悪い話じゃあないだろう。」


確かに悪い話じゃない。どう?と聞いてくる彼を見て、ここで選択を誤れば死ぬかもしれないと緊張感が走った。混乱している場合ではないと自分を叱咤して、私は賭けをした。


「…………衣食住なら自分でどうにかします。」

「……へえ?」


ほとんどハッタリだ、きっと別世界に飛ばされた私には戸籍もない。平和ボケしてる私に衣食住を一からどうにかする力なんてあるわけないが、私は強気にそう言った。

彼は面白くなってきたと言わんばかりに私を見据えた。舐めやがって、と私は心で毒く。


「(私はアンタが芥川をどうやってマフィアに勧誘したか知ってるんだから。)」


「他のものをください。」

「ふうん、思ったより生意気だね。……そうだね、ポートマフィアは苛烈だ。並の覚悟では務まらないだろうし、地獄を見るかもしれない。勧誘を受ける代わりに、

───君の求めるものをひとつ与えよう。」


この時ばかりは、原作を知っていたAの勝ちだった。予想通りの台詞を言ってくれたことに内心ほくそ笑みながら、要望を述べた。


「私の居場所は与えられますか。」

「……与えられるよ。」


少しの間のあと、太宰さんは確かに与えられると応えた。言質は取ったとばかりに私は口角を上げ、彼の目を見つめた。ポートマフィアでやっていく覚悟は今決めた。あとはなるようになるだけだ。



「じゃあ、入ります。ポートマフィア。」

「それは良かった。」


よろしくね、と彼は悪魔もたじろぐような美しくて冷たい笑みを浮かべた。

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ブラコン - かっかッこいいっ兄に思わず抱きつきましたぁ〜。ぶたれたし、抱きつきたくなかったよ〜!けどけど、イラストがッ! (2018年7月21日 22時) (レス) id: e9f72c513a (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃおもしろいですね! 殺せば、勝ちなんだのところ吹きましたwww 渚君www (2018年7月4日 0時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
いんこ - 37ページの下らへんに中也のとこで「だうしな」になってます (2018年1月29日 16時) (レス) id: 4376bf785f (このIDを非表示/違反報告)
信乃(プロフ) - イラストかきました。どぞ→ http://uranai.nosv.org/uploader/common/7/6/8/768eaacc1415e24c7349773e07126187.jpg (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3baa51b5a2 (このIDを非表示/違反報告)
自殺嗜好(プロフ) - めっさお気に入りです!夢主ちゃんのリアルな突っ込みが気に入ってます!これからも頑張ってください! (2018年1月25日 11時) (レス) id: f37f9cdf35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メガネ第2号 | 作成日時:2017年12月31日 19時

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