苦労の記録３４ ページ34
「それでは会議を始めます。」
遠くでそんな事をいう声が聞こえるが、ぶっちゃけ私の頭には鮮明に入ってこない。
会議そっちのけで手元にある資料をパラパラと捲り、志賀についての情報を見る。
『志賀優哉』
・異能組織「FREEDOM OF BIRDs」の幹部
・年齢は私の二つ上の17歳
・性別は男
・異能は「灰色の月」、詳細は不明と記載してある。
FREEDOM OF BIRDs、直訳で自由の鳥達。長いので暇鳥と呼ぶ。
昨年から行動規模を広げ組織も拡大、最近ではマフィアの海外からの密輸船を襲撃。この行動を切っ掛けに殲滅する予定で、今はまさにその会議中だ。
正直暇鳥が何をしようがどうでもいいが、三次元から来た側からしての問題は、『此奴は志賀直哉なのか』ということだった。
ここは文豪ストレイドッグスの世界、文豪の名前が出てきたらそれだけで警戒対象。しかし此奴は名前の一文字が違う。それを偶然とも思えないし、異能の名前も小説タイトルだ。
考えた結果、私の中で陳腐な仮説が生まれた。
«原作のなにかの誤差で生まれた存在なのでは？»
馬鹿げた仮説だが、私がトリップしてきた事を考えれば、あながち馬鹿にできないのが事実だった。
原作の何かの誤差で、文豪志賀直哉の不完全版である異端的な二体目、志賀直哉であり志賀直哉でない存在。それが志賀優哉。
「(そう考えるのが１番筋が通ってるよな〜。)」
ある程度考えを纏めた所で、昨日太宰さんの言ったことを思い出す。
──志賀優哉は君に任せるとしよう。
思い出すだけで腹が立ってきた。なにも初陣で闘わせるような相手ではないはずだ。敵の幹部に新人を出すような真似、無謀にも程がある。異能力だって扱い慣れていないのに。
「(死んだらどうしてくれんの。)」
と昨日の太宰さんに腹立てていると声が聞こえてくる。
「高橋さん！」
「……えっ。」
「あの、この時のＢ班の位置は7番で進めていいですか？」
どうやら黒服が何度か私を呼んでいたようだ。
全ての決定権である今回の戦闘の司令塔、太宰幹部は不在である。代理の私が決断を下さなきゃ進められないらしい。
「(面倒だな本当に。)」
「……高橋さん？」
「ああ、ここは──、」
なんて思いながら、昨日散々見た資料を手繰っていると、会議室の壁際にいる大層痩躯の黒服が突然喋り出した。
「ふむ、太宰幹部の新しい部下はどうやら耳に障害をお持ちのようだ。」
その場の空気がピリッと嫌な緊張に包まれた。
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ブラコン - かっかｯこいいっ兄に思わず抱きつきましたぁ〜。ぶたれたし、抱きつきたくなかったよ〜!けどけど、イラストがｯ! (2018年7月21日 22時) (
レス) id: e9f72c513a (このIDを非表示/違反報告)
杏 - めっちゃおもしろいですね！ 殺せば、勝ちなんだのところ吹きましたwww 渚君www (2018年7月4日 0時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
いんこ - ３７ページの下らへんに中也のとこで「だうしな」になってます (2018年1月29日 16時) (レス) id: 4376bf785f (このIDを非表示/違反報告)
信乃(プロフ) - イラストかきました。どぞ→ http://uranai.nosv.org/uploader/common/7/6/8/768eaacc1415e24c7349773e07126187.jpg (2018年1月27日 19時) (レス) id: 3baa51b5a2 (このIDを非表示/違反報告)
自殺嗜好(プロフ) - めっさお気に入りです！夢主ちゃんのリアルな突っ込みが気に入ってます！これからも頑張ってください！ (2018年1月25日 11時) (レス) id: f37f9cdf35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メガネ第2号 | 作成日時：2017年12月31日 19時
